絵は苦手でも合格できる!保育士実技・絵画のポイントとは?

保育士試験ならではの特徴として実技試験が挙げられます。言語、絵画、音楽の3科目から2つを選んで受験することになるだけに、「苦手なんだけど、選択せざるを得ない…」と、結果的には消去法で2つに絞る方も少なくはないかと思います。

「絵は苦手で、学生時代の美術の成績は悪かったけど、音楽はもっと苦手だし…」と、やむを得ず絵画を選んで、果たしてどうやって練習しようかと悩んでいる方も多いかと思います。そもそも、なかなか対策がとりづらいのも保育士の実技試験の特徴であり、それが悩みを増幅させているかも知れません。

しかし、絵が苦手であっても、けして悲観することはありません。この試験ではプロ並みのテクニックは求めていません。それよりも分かりやすい線や色使いが出来ているか、そして楽しく、子どもが喜んでくれそうで、しかも絵を描くことに興味を持ってもらえそうな絵を描くことが出来るかが求められています。

では、一体どのように練習をしていけば良いのでしょうか。

まずはインターネットなどを活用してみましょう。ネット上には合格した方々が実際に実技試験で描いた絵を掲載しているところもあります。どのくらいのレベルの絵を描けば良いのかという目安にもなりますし、合格するためには与えられた課題に対して、どのような構図で描けば良いかも掴むことが出来るでしょう。

また、実際の合格例を見ると、「すごく上手い」と感じるものもあれば、「この程度でも合格できるんだ」と感じるものもあるでしょう。もしかしたら、これなら描けるかもという自信がつくかも知れません。

保育士試験の実技試験・絵画は1つのテーマが出題され、それに沿った絵を色鉛筆などを使って描いていきます。45分間という限られた時間の中で、どんな絵にするか、構図はどうするかを決めた上で、大まかな線を描き、肉付けし、色を塗っていきます。時間内にきちんと最後まで描けるかどうか、さらにきちんとテーマや条件を満たしているかがカギとなります。

練習するにあたっては、まずは「これは描きやすいかも」という絵を選んで、真似をしてみることです。テーマは室内だったり、屋外だったり様々です。それぞれのバージョンを描くことで、土台となる背景パターンをつかめるでしょう。土台を描けば、あとはどんなテーマが出題されても対応できるのです。

また、登場人物についても、先生や子どもたちの服装パターン、走っているかしゃがんでいるかなどといった動きのパターンもつかんでおきましょう。男の子、女の子それぞれの服の色や仕草も押さえておくと良いでしょう。様々な絵を真似して描いてみることを繰り返す中で、徐々にパターンがつかめてくるかと思います。あとはそのパターンをテーマに合わせて配置すれば良いのです。

時折、先生や子どもたちだけでなく、動物も条件に含まれることがあります。子どもたちに人気のある動物も2~3種類程度描けるようにしておけば、さらにバリエーションが広がるはずです。

このように絵画の実技試験は何も苦手意識を持つことはありません。まずは真似をして描いてみること…そこから始めてみましょう。笑顔があふれる楽しそうな風景を描くことを意識すれば合格はきっと近づいてくるはずです。

ピアノは弾けないと諦める前に…保育士実技試験・ピアノの攻略法

保育士の実技試験には絵画、言語、音楽の3つのジャンルがあり、その中から2つを選ばなくてはなりません。保育士と聞くとピアノが弾けなければならない…そんなイメージが強かったかもしれません。しかし、ピアノが弾けない方は、あえて音楽を選択しないという方法もあります。

実技試験の音楽は、事前に発表されているして課題曲2曲を弾き語りします。使用する楽器はピアノだけでなく、ギターやアコーディオンも許可されています。したがって、自分が弾くことができる楽器を自ら選択することができるわけです。もしピアノが弾けなくても、ギターかアコーディオンが弾けるのであれば、それを選ぶという方法もあります。

また、課題曲といっても難解なクラシック音楽ではもちろんありません。保育園などで歌われており、広く子どもに親しまれている童謡が中心です。すでに指定の楽器が弾けるという方であれば、すぐにマスター出来るでしょうし、楽器が未経験でも、課題曲は事前に分かっているために、そればかりをひたすら練習すれば、合格ラインに十分到達できるでしょう。

例年、保育士試験では前述のとおり、3つのジャンルから2つを選ぶのですが、音楽は意外と合格しやすいと言われています。したがって、楽器が苦手という方々には敬遠されがちの音楽ですが、きちんと練習し、課題曲だけであっても弾くことが出来れば、合格の可能性は十分高まります。またこの経験は実際の保育現場でも十分役立つでしょう。

では課題曲となる曲をどのように練習していけば良いのでしょうか。

スクールや通信教育では実技試験対策もきちんと行っています。スクールでは弾き方の基本から学べる上に、実技の訓練もきちんと行えます。通信教育ではDVDなどの教材を利用して、弾き方から、実際の試験会場ではどのように弾き語りをすれば良いのかといったことが学べます。

では独学の場合はどうすれば良いかということになりますが、まずは自分の身の回りにピアノやギターが弾ける人はいないか、そして教えてくれる人はいないか探して頼んでみるという方法があります。特に家族にそのような方がいれば、費用もかからずに済むので、活用するに越したことはありません。

もし、身の回りに楽器ができる人がいないとか、いても、先方の都合が悪く、なかなか教えてもらえる時間がとれないという場合は、大人向けのピアノ教室を当たってみると良いでしょう。ピアノ教室の中には、保育士試験対策用の練習コースを設けているところもあります。ピアノは初めて…という方は、こういった場所を有効に活用するのも方法です。

後は、実際の保育現場にいる気持ちで、子どもたちに正しい音階を覚えてもらい、楽しく歌える雰囲気を作り出せるかどうかです。少々間違えても気にせず、明るく大きな声で、笑顔で弾き語りをするように心がけましょう。楽しい雰囲気を音楽とともに作り出せるかが、実技試験・音楽の決め手になるのです。

素朴な疑問…保育士になるための通信教育って役に立つの?

保育士試験に合格して、保育士として働きたい…そんな方の中には「日頃は働いていて、なかなかスクールに通う時間が取れないから、通信教育で学びたいんだけど…」という方も多いのではないでしょうか。しかし、通信教育で本当に合格できるのか半信半疑の方もいらっしゃるかと思います。そこで、保育士試験の通信教育について見てみましょう。

保育士試験の試験対策を行っている通信教育は数多くあります。多数の資格取得や技術修得のための通信教育を行っている会社もあれば、あくまでも保育士試験を専門として取り扱っている会社もあります。

いずれにせよ、保育士試験を知り尽くしたエキスパートによって編集された教材を使用するため、流れに任せてきちんと自分自身でスケジューリングしながら学習を進めていけば、合格に近付けることは間違いないでしょう。もちろん書店で販売されている参考書には載っていないような、より細かく、しかも最新の情報もしっかり学ぶことができます。

もし、学習していて分からないことに出くわした場合でも、メールや電話、ファックスなどを利用して質問することができる通信教育も多数あります。きちんと活用すれば、スクールに通っているのと大差ないほど、学習は充実したものになることでしょう。しかもスクールに比べて受講料も格段に安い場合が多いことも安心材料と言えます。

以上はあくまでも一般的な通信教育でも言えることですが、保育士試験のための通信教育ならではのメリットもあります。

保育士試験の最大の特色はやはり実技試験があることでしょう。言語、音楽、絵画製作の3つの分野から1つを選択します。学科試験に合格すれば、引き続き受験しなければならないのが実技試験なのですが、独学での合格を目指す方にとって、なかなか対策を練りづらい側面もあります。市販の参考書も実技試験の具体的な対策が書かれていないものも多いのです。

その点で通信教育は実技試験に強みがあると言えます。実技試験対策用のテキストや、実際にどのようにすれば良いのかといったことが収録されたDVDなども教材として揃っているところも多いのです。分かりにくい実技試験対策がしっかり出来るのも通信教育のメリットなのです。

また、学科試験についても10の科目から構成されていますが、部分的に合格し、残りの科目の合格を目指している方もいらっしゃるでしょう。通信教育の中には、不合格となり再試験する科目だけ受講できるというものもあります。苦手科目だけチョイスすることもできるなど、利用する上でのバリエーションも増えるでしょう。

通信教育のメリットばかりを取り上げてきましたが、当然ながらデメリットも存在します。保育士に限らず、どの通信教育についても言えますが、きちんとしたスケジュールがないために、自分自身できちんと試験当日までの学習のスケジューリングをしなければならないことが挙げられます。また、疑問点があって質問しても、すぐに回答が返ってくるわけではありません。

しかし、働きながらでも自分自身のペースで学習が進められるのはメリットですし、通信教育だけで保育士試験に合格した方もたくさんいらっしゃいます。要はきちんとカリキュラムに沿って、計画的に学習していくこと…これによって通信教育であっても、スクールに通うのと引けをとらないくらい高い学習効果を得られるのです。

意外と難関資格なのです!保育士試験の難易度って?

近年、需要が高まっていることで注目を集めている資格が保育士です。保育士の資格を取得するためには大学や短大、専門学校に設置されている保育士養成課程を修了するか、保育士試験に合格するかの道があります。後者の場合は受験基準を満たせば受験することができます。そのため独学や通信教育を利用することで、保育士の資格を取得した方々が、実際の現場で大いに活躍されています。

ところで、これから保育士試験を受けて、保育士を目指したいとお考えの方の中には、「保育士試験って難しいのかなあ…」と不安に感じる方も少なくはないでしょう。受験するかどうか、受験するとしたらどのくらい学習すれば良いか…など、難易度を知ることは今後の方向性を見定めることにもつながります。

単刀直入に言えば、保育士試験はけして少しの学習で合格出来てしまうほど簡単なものではありません。合格して、実際の現場で働くようになれば、大切なお子さんの命を預かるわけですから、保育に関する様々な知識が必要となります。実際の試験では細部の知識が必要となるような問題も多数出題されます。合格ラインは全科目6割以上の得点ですが、実際に学習を始めると、「こんなに難しかったのか」と言う方も多いのです。

世間ではとりわけ都市部を中心にして、お子さんを保育園に入れたくても定員オーバーでどうしても入園できない…つまり待機児童の問題が取り沙汰されています。そのため、保育士は世間のニーズも非常に高く、仕事に有利な資格としても一層注目されているのです。

また、保育士そのものが国家資格となったことで、保育士になりたいと希望している方への門戸は確実に広がりました。高まる保育士のニーズとともに、「保育士資格を取得して保育士として働きたい」という方は増えているのです。そのことで、保育士試験を受験する方は年々増加傾向にあります。

しかし、受験者が増えているからといって、年々合格率が下がっているかと言えばそんなことはありません。なぜならば、この保育士試験は大学入試などのように合格者数があらかじめ決められているわけではなく、合格のボーダーラインを超えていれば合格出来るためです。合格率は受験者数ではなく、むしろその年の試験の難易度に左右されると言えるでしょう。

そのため近年の合格率は20パーセント弱を推移しています。この数字を見るだけでも、けして楽に合格できるものではなく、きちんとした体系的な学習と知識の定着が必要であるということが分かるのではないでしょうか。

そもそも保育士試験は学科試験だけでも保育原理や社会福祉、子どもの食と栄養、保育実習理論など8つの科目から構成されています。幅広い知識が必要なのです。それらをまんべんなく学習し、合格できる力を養っていくためには不断の努力も必要となるでしょう。つまり、それだけ保育士試験の難易度はけして低くはなく、きちんとスケジュールを立てて学習していくことが大切なのです。

学科と実技の2つがある!保育士試験の内容とは?

保育士試験を受験しようとお考えの場合、受験資格を満たしているかどうかを確認し、問題がなければいよいよ合格に向けての学習に着手していくことになるでしょう。学習を始める前に、合格に向けてのスケジューリングをしていくためにも、具体的な試験内容をしっかり把握しておくことが先決となります。

まず保育士試験は年に1回のみ行われます。試験は学科試験と実技試験の2段階に分けて行われ、学科試験の全科目をクリアした人だけが実技試験に進むことができます。例年、学科試験は8月上旬に2日間に分けて行われ、9月に合否の発表があります。実技試験は10月に1日で行われ、最終的な保育士合格の発表は12月となります。

学科試験は8科目ありますが、合格の有効期間は合格してから2年間で、科目ごとに期間が設定されています。例えば、今年初めて試験を受け、学科試験が8科目中5科目で合格したという場合、その5科目は来年、再来年に行われる試験までは受験が免除され、2回分の試験に限り、受験するのは3科目になるというわけです。

前述のとおり、学科試験には9科目があります。すべての科目にはそれぞれに特色があり、試験範囲の広さを感じることでしょう。では、8科目の内訳を見てみましょう。

まずは保育とは何かという本質から保育所保育、保育所保育指針など保育を幅広い視点で見ていく「保育原理」があります。また、保育士というのは福祉の仕事であることから、福祉について幅広い知識を問う「社会福祉」、そして児童の家庭における福祉についての「児童家庭福祉」の科目もあります。さらに教育とは何かという基礎的な理論を問う「教育原理」や児童の教育とともにきちんと養護していくという原理・原則を問う「社会的養護」の科目があります。「教育原理」と「社会的擁護」は2科目で、1科目と言うくくりになっています。

以上の4科目はいずれも教育や保育、福祉といった根本的な部分の知識を問うものですが、残る4科目は実際の保育の現場に携わるに当たって、知っておかなければならない知識を問うものになっています。

「子どもの食と栄養」は栄養学の基礎となる部分から、子どもに特化した食生活や栄養についての知識が対象となります。「子どもの保健」では子どもが発症しやすい病気や起こしやすい事故に対する対応や対策に関する知識が問われます。「保育の心理学」は子どもに限らず、生まれてから死ぬまでの人間の一生における心の動きや成長についてがテーマになります。最後に「保育実習理論」は音楽、絵画、言語と最も実践的で実技試験にも活かせそうな内容からの出題となっています。

8科目の中で、「教育原理」と「社会的擁護」の2科目は、2つで1科目の扱いで、それぞれ30分の制限時間となっており、問題数も他の科目の半分である10問ですが、ともに6割以上というのが合格ラインとなっています。またその他は60分の制限時間で20問出題され、合格ラインも同じく6割です。

この学科試験をクリアすると、音楽、造形、言語の3科目の中から2科目を選んで受験する実技試験を受けることになります。音楽は指定された課題曲をピアノやギターなど指定の楽器で弾き語りをします。言語は昔話や童話を3分間と言う制限時間内に口演します。造形は45分の制限時間内に、当日発表される課題に関して色鉛筆などを用いて絵を描きます。

このように保育士試験は多くの科目から成り立っています。学習するに当たって、それぞれの科目ではどんなことを学ぶ必要があるのかをざっくり把握しておくことも、最初の取り組みとしては重要だと言えるでしょう。

独学で保育士資格を取得するために…テキストはこう選ぶ

受験資格を満たしていれば、誰でも資格を取得できる可能性があるのが保育士です。保育士試験の合格を目指して、それぞれが自分に合った方法を模索していくことになるかと思います。方法としては、専門のスクールに通ったり、通信教育を受講したりと様々でしょう。そして、中には誰にも頼らずに独学で保育士合格を目指すという方もいらっしゃるでしょう。

保育士試験を独学で合格することが出来るかどうかというと、もちろん可能です。独学で合格された方は数多くおり、実際の現場で保育士として活躍されています。独学で資格取得を達成するには、やはり何を参考書として用意するかが大変重要な要素となります。つまり、テキスト選びです。これこそが独学では合否を左右するカギになるといっても過言ではありません。

そもそも保育士試験は学科試験と実技試験の2つに合格しなければなりません。学科試験に合格しなければ、実技試験に進むことも出来ません。また学科試験についても10の試験科目があり、すべてで6割以上の得点がなければ不合格となってしまいます。

このことを踏まえて、保育士試験のテキストはいくつかの種類に分けられます。

まずは試験科目ごとに詳細な解説がまとめられているものです。全国社会福祉協議会から出版されている保育士養成講座テキストがまさにこれに該当します。基礎からしっかり学び、保育士になっても役立つ深い知識を修得したいとか、合格目標までに長い期間やゆとりがある場合にはぴったりでしょう。しかし、このようなタイプは受験科目分のテキストを用意する必要があり、コストがかかるというデメリットがあります。

次に、通信教育会社などが出版しているテキストです。この特徴はすべての科目が1冊、もしくは上下巻の2冊に分けられているために、たくさんのテキストを用意する必要がないという点にあります。また、過去の保育士試験のデータを踏まえて、良く出題されるテーマや出題が予想されるポイントがコンパクトにまとめられています。短期間で合格したいとか、まずはどのようなポイントが出題されるのかを知りたいという方には向いているでしょう。ただし、あまり内容が簡素すぎると、「受験したけど、テキストに載っていないことばかりだった」ということもあるため、注意が必要です。

その他のテキストとしては、過去問や予想問題が掲載された問題集や一問一答式問題集など様々です。またインターネット上では、スクールや通信教育で実際に使用されたテキストも数多く販売されています。

書店などの資格コーナーには保育士のテキストも所狭しと陳列されています。どれにしようか迷ってしまうかもしれません。まずはどのくらいの期間で合格を目指すのか、基礎知識があるかどうかなどの観点から、必ず中身を見て、これなら分かりやすいだろうというものを選びましょう。インターネットで口コミなどを参考にするのも良いでしょう。

ただし、あれもこれもとむやみにテキストを購入することは避けたいものです。シリーズを絞って、何度も反復して学習してこそ、本当に必要な知識が定着してくるのです。

保育士資格を取得するにはこんなに多くの方法がある!

保育士になって、子どもに接することができる仕事に就きたいという希望をかなえるためにはいくつかの方法があります。大別すれば、大学に通うか、短大や専門学校に通うか、それとも国家試験である保育士試験を受験し合格するかの3つのパターンとなるでしょう。

まず大学に通うというパターンから見ていきましょう。大学では保育に限らず、幼児教育全般を幅広く、しかも深く学ぶことができるのが大きな特徴です。保育士としてというよりも、それを含めて教育とはどのように進めていけば良いのかという点に関して、心理学や芸術などの様々な観点から学んでいくことになります。そのため卒業後は保育士として保育園で働くという以外にも、カウンセラーや養護施設などのより専門的な分野へ進路をとる方も多いのが特徴です。

大学では専門課程を修了すれば保育士の資格を取得できます。合わせて、幼稚園や小学校の教員免許も取得できるところもあります。しかし、あくまでも通学しなくてはならず、4年という年月をかけて、きちんと単位を取って卒業する必要があります。そのため、社会人や主婦が働きながら学ぶということはしづらいというデメリットもあります。

また、大学に通うとなるとそれなりの学費もかかってきます。年間では100万円前後がその目安となるため、それが4年間になるわけですから、費用は高額になるのです。もちろん大学に入学するためには入学試験をクリアする必要があります。

そこで、4年という長期間通学しなくても保育士の資格取得ができるのが短大や専門学校となります。短大の場合はあくまでも2年間となるため、保育について幅広く、バランス良く学べますが、大学ほど深く学ぶ時間がないのが特徴です。また、幼稚園教諭の資格も合わせて取得できるケースが多いというのはメリットとなるでしょう。

一方で専門学校は、まさしくその名前が示すように、保育士になって働くことに特化しているため、保育に関する知識だけでなく、実際の現場に出ても、すぐに戦力となれるように実習が充実していることが大きなメリットです。また、就職するための知識や経験を積む場所であるために、就職サポートも充実しています。

ただし、短大も専門学校も、もちろん大学も、社会人や主婦のように忙しい方にとっては通学できないとか、お金がかかるとか…なかなか実現するには大変かと思います。そこで、そんな方には保育士試験に合格し、資格を取得するという方法があります。

年に1回行われる保育士試験は学科試験と実技試験の2つから成り立っており、両方合格して初めて資格取得となります。スクールに通って学習する方法もありますが、独学や通信教育で学ぶこともできるために、自分自身でスケジューリングがしやすいのがメリットと言えるでしょう。働きながらでも、家事や育児をしながらでも学習を進められるので、社会人や主婦の就職や転職には向いています。ただし、あくまでも自分自身できちんと合格に向けてのスケジューリングをしなければならないこと…これが大きなポイントとなるでしょう。

受験前に確認!保育士の受験資格をチェックしよう

「保育士になりたい」とお考えの方の中には大学卒業まで保育や教育について学んだ経験が一度もないという方もたくさんいらっしゃるかと思います。保育士になりたいという夢があり、保育士という資格もある現在、果たして保育士に関する知識や経験がなくても、受験する資格があるのか不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

保育士も国家試験の1つであり、多くの資格試験には受験できるかどうかの条件があります。中には、これから取得を目指そうとしている試験に関して、大学などで学び修了していること、実際にこれに関わる実務経験が一定の期間以上あることなど、受験資格もかなり限定的なものもあります。

果たして保育士はどうでしょうか。保育士に関しても受験資格が存在し、基準に該当しなければ受験することができません。

まず年齢ですが、特に基準はありません。還暦を過ぎてから保育士の試験にチャレンジする方もたくさんいらっしゃいます。また、性別ですが、年齢と同様、これも基準はありません。よく「男性は受験出来ないのでは」と思われる方もいらっしゃいますが、けしてそんなことはありません。確かに受験者の多くは女性ではありますが、男性の受験者も少なくありません。

続いて学歴面からの受験資格ですが、大学の場合は学部や学科は問わず、短大も含めて卒業しているか、もしくは卒業見込みであっても受験は可能です。また、大学に2年以上在籍、もしくは1年以上2年未満の在籍であっても、62単位以上を既に修得していれば受験できます。学部や学科を問わないために、保育士の受験は門戸を広く開放しているのが特徴です。

ただし、ここで注意が必要なのは、卒業見込みの状態で受験した場合です。大学在学中にも保育士試験を受験することは可能ですが、仮に卒業見込みで試験に合格したものの卒業出来なかった…この場合、合格は取り消されてしまうことを事前に理解しておきましょう。

また、高卒の場合は、毎年の基準となる日以前までに高校を卒業していること、もしくは高校の保育科を卒業していることが条件になります。この基準日に関しては例年変わりますから、受験前にきちんと確認しておきましょう。また、高校卒業後に児童福祉施設で2年以上、中学卒業後に同じく5年以上の実務経験があっても、受験資格を得ることができます。

このように受験できる条件は様々であり、以上のことを1つでも満たせば受験はできるのですが、この他にも例外的に受験が可能になる条件もあります。細かく受験の条件が規定されているので、まずは事前にきちんと条件を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。

受験資格がなければ、受験することすら出来ません。何も知らずに学習を始めても、実は受験要件をみたしていなかった…では意味がありません。学習を始める前にきちんと確認した上で、きちんと資格を満たしていることを確認できたら、早速合格を目指して学習を始めていきましょう。

必見!保育士って安月給って聞くけれど…ホントのところは?

「保育園で保育士として働きたい!」と思っても、実際に求人募集などで待遇を見ていると、「えっ?こんなに安いの??」と目を丸くした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、テレビのニュースやドキュメンタリーなどで保育士について取り上げられることもしばしばありますが、保育士の給料の安さをピックアップしていることも良く見受けられます。それゆえに、「保育士は安月給」…そんなイメージをお持ちの方も多いかと思います。

では、実際のところ、保育士の給料というのはどのくらいなのでしょうか。

一般的に保育園で働くとなると、端的に言えば「子どもの保育」がメインの仕事となりますが、けしてそれだけではありません。保護者との連携をとり、時にはクレーム対応に追われることもあるでしょう。またお遊戯の道具を作るなど、保育の現場にとどまらず、子どもたちが帰った後も、仕事をすることも多いのです。

それゆえに肉体的にも大変な仕事が保育士でもあります。しかし、給料はというと、世間で言われているように、初任給は非常に安いのが現実です。月収の平均は21万円前後ではありますが、初任給はとはいう16~18万円程度と言われています。ここから社会保険料や所得税などが差し引かれるわけですから、手取りとなると13万円程度になるのです。確かにこの金額では、たとえ独身であっても、生活していくには厳しい金額かもしれません。

保育園と一言で言っても、公立保育園や私立認可保育園、認定こども園などその種類は様々です。当然ながら、公務員として働くことになる公立保育園の場合は、月給そのものは私立の保育園などと、大きな差異はないものの、ボーナスの額は月数にして、1ヶ月以上、大きければ倍以上の開きになるところもあります。

保育士になるために、猛勉強をして、国家試験に合格し、晴れて保育園で勤務することになった…毎日、とにかく目の回るような忙しさで、朝から晩まで、時には家に帰ってからも仕事でもうくたくた…そんな保育士の方も少なくはありません。しかし、給料と言う側面で見ると、お子さんの命を預かる大切な仕事であり、子どもが好きで、子どもの笑顔に癒され、それは大きなモチベーションになるのは確かですが、「給料はこれだけ…」と思い悩むケースもあるでしょう。

しかし、何事もそうですが、長く働けば働くほど、給料は上がっていきます。保育士に関してもずっと安月給のままというわけではありません。確かに他の職種に比べると安いかもしれません。40代であっても、400万円弱が平均ともされています。上がりにくいというのが保育士の給料の特徴とも言えるでしょう。しかし、長く勤務し、園長に抜擢されるなどによっては、年収も500万円を超えてくることも多いのです。

さらに、保育士の仕事には定年がない場合もあります。年齢を重ねても仕事を続けられ、それなりの給料を得ることができる職業でもあるのです。確かに最初のうちは、生活のやりくりが苦しいと思うかもしれません。しかし、長く続けること、そしてスキルアップのために資格を取得したり、保育園の幹部などに昇進することによって、さらなる給与アップも十分にありえる夢のある職業でもあるのです。

これがトレンド!今はまさに保育士業界は人材が求められている

世の中に数多くある資格の中には、取得しても、その資格を活かせる仕事に就くのは難しいものもあれば、引く手あまたとなるような資格もあります。ここで取り上げる保育士は今や非常にニーズが高く、就職や転職などに大変有利な資格なのです。つまり、それだけ保育業界は人材不足に悩んでいる傾向にあるのです。

しかし、近年の日本は少子化、高齢化の波が激しく押し寄せています。女性の社会進出、経済状況などにより初婚の年齢が高齢化することによって、1人の女性の出産機会は一昔前に比べると減少しています。出生率も非常に低い傾向が続いており、子どもの数そのものも減っている状況です。にもかかわらず、とりわけ都市部を中心に待機児童の問題が常態化しており、このことが保育士のニーズを高めているのです。

では、なぜ少子化の時代に保育園では待機児童が増えているのでしょうか。

まず共働きの家庭が増えていることが挙げられます。結婚後も引き続き、共に働くという夫婦はたくさんいらっしゃいます。また、経済的な事情から、夫だけの収入ではやりくりが難しいという場合に、共働きの道を選ぶ夫婦も多いのです。

そうなると、もし小さなお子さんがいらっしゃるご家族の場合、やはり保育園に預けざるを得なくなるのです。核家族の増加や転勤などで故郷を離れて暮らす家族が増えるなど、夫婦であっても互いの両親にお子さんを面倒見てもらうということも出来ない条件が整っていることが多いのです。

そもそも保育園は、両親などがお子さんの世話ができない時間帯に、代わりに面倒を見てもらうためにあります。かつては両親以外にも面倒を見てくれる家族がいたケースも多かったのですが、今はそれができないケースが増えたことで、保育園に預けることを希望する両親が増えた…これが待機児童の増加につながっているのです。

また、近年は保育園でも様々なサービスを行っています。かつては朝から夕方まで保育してくれるというイメージがあったかもしれません。しかし今では夜間保育の実施など、24時間体制の保育を実施しているところも増えています。さらに、「今日1日だけお願いしたい」といった個々のニーズに幅広く応える保育園もあります。

さらに、女性の社会進出の増加に伴って、企業でも女性に出産後も活躍してほしいと、託児所を設けるところが増えています。さらに、保育士は保育園に限らず児童養護施設や知的障害児施設、病院などの施設でも必要なのです。

以上のように、今や保育士の活躍場所はどんどん広がりを見せています。また個々のニーズも多様化することによって、その需要に応えるために保育園でも様々な保育環境を整えています。そのことが保育士のニーズをどんどん高めていると言えるでしょう。大切なお子さんの命を預ける場所であるからこそ、保育園の充実のためには保育士が必要なのです。今の時代背景がまさに保育士を必要としているといっても過言ではないのです。