男性なんですが…保育士になることは出来ますか?

男性の方にも「保育士になりたい」という希望を持っている方も増えてきました。しかし、中には「男性でも保育士になれるのでしょうか?」という疑問を抱いている方もいらっしゃるようです。この疑問に端的に答えるならば、男性でも保育士になれますし、多くの男性保育士が現場では活躍しています。

確かに、保育士は女性の仕事というイメージは強いかと思います。かつては女性の職業であった時代もあり、一般的には「保母」という職業名でした。しかし、1985年に男女雇用機会均等法が制定されてからは、少しずつ男性の保育士…当時で言う「保父」が増えてきました。1999年に「保育士」という名称で固定され、2001年からは保育士試験が国家試験となってからは、男性保育士も増加傾向にあります。

保育園の中には、男性用の設備がなかったり、男性の採用した経験がなかったりといった理由で、男性保育士を敬遠しているところも確かになくはありません。しかし、保育にあたって、女性ばかりが担当するのではなく、男性が一部を担うことは意義深いと考える傾向が強まっており、その風潮も男性保育士が増加傾向にある要因でもあり、それはつまり保育士を希望する男性にも多くのチャンスがあるということにもなります。

男性が保育士として働ける環境は整いつつあるにもかかわらず、保育士を目指すにあたっての大きな弊害になっていることといえば、やはり収入面ではないでしょうか。

保育士は低収入の傾向にあることは、マスコミの報道で一度は耳にしたことがあるかもしれません。初任給は平均で18万円程度で、手取りとなれば13万円前後にまで落ち込みます。ボーナスを支払われたとしても年収は300万円を少し越えるくらいが一般的だとされます。

確かに、まだ独身であれば、このくらいの収入でも何とか暮らしていくことは可能かもしれません。しかし、これから先、結婚したり、お子さんが誕生して育てていかなければならないという場合には、なかなか保育士の収入だけで生活していくのは難しいのが大半ではないでしょうか。そのことが男性が保育士になりたくても、なかなかなれない要因にもなっています。

もし、男性が保育士を仕事として目指すのであれば、一つの方法として公立保育園への就職が挙げられます。私立保育園よりも公立保育園の方が安定して働けるだけでなく、とりわけボーナスの額に差があり、しかもその額に年ごとの変化が少ないのです。また昇給のペースも早いことから、ある程度、勤続年数を積み重ねれば、生活していくだけの収入を得ることは出来るでしょう。

また、私立保育園であっても園長にまで昇格すれば、年収も500万円を越えることは可能です。さらに保育士だけでなく、例えば臨床心理士やチャイルドマインダーなどの資格をセットで持つと、収入に反映されるケースもあります。

このように収入面が就職への壁になっている男性保育士ですが、これからは男性保育士が求められる時代でもあります。個人の努力も必要なのは言うまでもありませんが、収入面の壁を低くするような努力が国にも求められます。