少子化の時代だからこそ求められる保育士

近年は、いわゆる戦後直後に生まれた団塊世代が60代中盤から70代に差し掛かり、その一方で長らくの少子化と長寿の影響もあって、日本は超高齢化社会となっています。子どもの数が減っていることは日本にとっては大きな問題で、将来が危惧されています。
しかし、少子化が進むことで保育士の需用は高まる傾向にあります。そう聞くと、矛盾を感じる方も少なくはないでしょう。ところが、実際にニュースや新聞などで「待機児童」がとりわけ都市部で多いという報道を耳にしたことがある方も多いでしょう。子どもを保育園に入れたくても入れられない…だから、保育園の定員に空きが出るまで待っているしかない現状があるのです。
保護者が共働きをする傾向が強まっていることも、待機児童を生み出す要因となっています。もちろん女性の社会進出が目覚ましいという現在の社会状況もありますが、とりわけお子さんがいらっしゃるご家庭では、両親ともに働かなければ、育てていくのに必要な収入を得られないという現状もあるのです。
前述のように、現代は少子化でありながら、共働き世帯が増えているために、保育園に対するニーズはどんどん高まっています。しかし一方で、その高まる需要に供給側が追い付いていないのです。つまり、保育園に入れたいという保護者は増えていても、受け入れるだけのキャパシティもなければ、保育士の人手も足りていないという問題があります。
このことは国からすれば問題かもしれませんが、保育士を目指す側からすれば、就職や転職を実現できる大きなチャンスであるとも言えます。需要がある今だからこそ保育士は狙い目の職種なのです。
保育士試験こそ保育士になるための道になる
かつて、保育士と言えば、大学や短大、専門学校で、保育士になるための教育を受け、修了する必要がありました。しかし、2001年からは保育士試験という新しい国家試験が誕生し、受験の条件を満たせば、受験することができるようになったのです。これによって、「過去に保育士としての勉強をしたことがないけど、保育士になって働きたい」という方でも、保育士として活躍できる可能性が出てきたのです。
保育士試験は年に1回行われます。学科試験と実技試験の2本の柱から成り立っており、両方とも合格しなければ、資格取得ということにはなりません。例年の合格率も15パーセント前後と、けして易しい試験ではなく、体系的に学習していく必要もあります。
学習方法はスクールに通ったり、通信教育を受講したり、さらには完全に独学でチャレンジしたりと人によって様々です。まずは保育士試験とはどのような試験か、そしてどのように学習を進めていけば良いか、さらには保育士試験合格後の就職活動はどう行っていけば良いか…保育士になるチャンスをつかむための道筋を詳しく解説していきますので、ぜひ参考にして、合格、そして就職という目標を実現しましょう。